
・古いハードディスクやSSD、USBを処分したいけど、どうやって処分すれば良いの?
・中身のデータってちゃんと消えているの?
・データの消し方を教えて欲しい
・処分したいハードディスクやSSD、USBが故障している場合にはどうすれば良い?
・良く分からないので専門家にお願いしたい
こういった疑問に答えます。
「そのデータ、本当に消えている?」ハードディスクドライブ(HDD)、SSD、USBからデータを完全に消す方法

在宅・リモートワークも早いもので一年経ちますが、多くの人が部屋の片付けをしているかと思います。
そんな不用品の廃棄で気を付けなければならないのが『ハードディスクドライブ(HDD)、SSD、USB』の廃棄です。
なぜなら、削除したと思っていてもデータを消せていない可能性があるからです。
「おっ?、どういうこと?」と思うかもしれませんので、『データの復旧を試してみる』と分かりやすいかもしれません。
ということで、まずはデータの復旧を試してみましょう。
データの復旧方法を試してみる
今回は最も使われているオペレーティングシステムであるWindows10で試してみます。
以下、環境情報です。
- OS:Windows10
- ツール:Ease US
今回使用した以外にも、同様のデータ復旧ツールはあります。
ではデータの復旧のために、テスト用のデータを作成してデータの削除してみましょう。
今回は、ボリューム(E:)上にテストデータとして『秘密のメモ』というテキストファイルを作成しました。

作成したデータのデータを削除後に、ゴミ箱を空にします。

いつもの作業ですよね?
EaseUSのインストール
次にデータの復旧を行ってみます。
EaseUSは、誤って消えてしまったファイルやフォーマットしてしまったデータを簡単操作で復元できるソフトウェアです。
このソフトにより、一般的な削除操作によるデータの復旧が可能です。
では、早速ですがEaseUSをインストールしてみましょう。
こちらからダウンロードが可能です。

なお、Free版は以下の制限があります。
ライセンス不要最大2GBまデータ復元可能
削除・フォーマットした、アクセスできないデータを復元
削除・非表示・紛失したやRawになったパーティションからファイルを復元
Free版ではデータ復元に2GBの制限がありますので大量のデータでは利用が出来ませんが、今回のようなちょっとしたテストには利用可能です。
興味がある方は是非テストをしてみてください。
では、早速ダウンロードしたファイルを実行してインストールを開始します。

『はい』を押して進みます。

『今すぐインストールする』を実行すると、インストールが始まります。

あっという間にインストール完了しますので、次に『今すぐ始める』を実行します。

『今すぐ始める』をクリックするとブラウザなど、いくつか画面が立ち上がりますが最終的に次の画面が立ち上がります。
先ほど削除したデータの保存先であるボリューム(E:)を選択します。

次に『ボリューム(E:)』のチェックボックスにチェックを入れ、『リカバリー』を実行します。

次に復元するデータの保存先を選択します。
説明にある通り『元のドライブへの復元』はドライブの故障の可能性が排除されていない場合は注意が必要です。
今回は復元先としてデスクトップを指定しています。

『OK』を実行すると復旧したファイルを含むディレクトリが表示され、そのディレクトリがデスクトップに作成されていることが分かります。

デスクトップに作成されたディレクトリから、紛失ファイルのディレクトリをドリルダウンしてくと紛失されたファイルが復元されているのが分かります。

同様に、『\削除されたファイル\$RECYCLE.BIN』以下にも、同じ削除されたファイルが復旧できています。
『$RECYCLE.BIN 』はゴミ箱を意味しますので、ゴミ箱からデータを削除したので、こちらにもファイルが復元されたということです。
しっかりとデータを削除する方法は?
前述の通り、通常の削除方法ではデータの削除が完全には出来ていない(復旧できる)ことが分かりました。
では、「どうやって削除すれば良いのか?」という疑問が出てきます。
実はデータの削除(デバイスのフォーマット)には、3つの方法があります。
- 論理フォーマット
- ローレベルフォーマット
- 物理破壊
記憶媒体(ハードディスクドライブやSSDなど)の再利用を考慮すと、通常は1か2を選択するかとは思います。
論理フォーマットは、その名の通り論理的にフォーマットしただけなので、比較的データの復旧が容易です。
これに対し、ローレベルフォーマットとはより低いレベルでのフォーマットであり、すべてのセクタ(データの保存領域)に00を上書きすることで、削除(古いデータにアクセスできない)を行う方法です。
Windowsのクイックフォーマット、標準フォーマットはどちらも論理フォーマットとなるのでデータの復旧は可能です。
クイックフォーマットを選択しない
同じ論理フォーマットでも、クイックフォーマットと標準フォーマットを比較すると、標準フォーマットでは、データの復旧はし難くなります。
つまり、外付けハードディスクやUSBデバイスのデータをすべて削除する場合には、クイックフォーマットを選択しないことが簡単な方法の一つです。

以下の出力は、標準フォーマットで削除後にEaseUSでディレクトリの構造を表示したものですが、テストデータの『秘密のメモ』がないことが分かります。

diskpart (Windows 標準ツール)
Windowsに標準で搭載されている便利ツールである diskpart を利用することで、ローレベルでデータを消し、データの復旧を困難にさせることが出来ます。
このツールは、WindowsでCLIの操作に慣れている人にとってはとても便利なツールです。
とはいえ、普段からWindowsを利用していても、Windowsのコマンド操作を使用したことがないひとも多いかもしれませんので、操作方法をご紹介します。
キーボードの『WindowsマークとR』を同時に押し、cmdと入力、エンターを実行します。

コマンドプロンプトが立ち上がったら、diskpartと入力しエンターを実行します。

すると、ポップアップが出ますのでOKを選択します。

diskpartを初めて使用される方は、是非 diskaprt -h 実行してヘルプを確認しましょう。

それぞれのコマンドは、HELP +コマンドで詳細が確認できます。
Diskpartではcleanコマンドでドライブのデータの削除を行いますが、オプションとしてALLを追加することでローレベルでのフォーマットが可能になります。

では、実際にデータの削除を行ってみましょう。
list diskと入力後にエンターを実行し、記憶デバイスの情報を確認します。

この端末では2つのドライブ接続されています。
今回は『ディスク1』をフォーマットしますのでディスク1を選択します。
select disk 1 と入力しエンターを実行します。

list diskを入力しエンターを実行すると、選択しているが確認できます。
ディスク1の先頭に『*』が付いていることが分かります。

ローレベルでフォーマットするには、clean all と入力しエンターを実行します。

デバイスが1TBといった大容量のドライブの場合、完了までに時間が掛かりますので、じっくり待ちましょう。
なお、様々なインターフェースのデバイスを接続する可能性がある場合は、変換アダプタを1つ持っておくと、とても便利です。
故障している場合はどうすれば良いの?
既にハードディスクドライブ(HDD)やSSDが故障しているからと言っても、そのまま不燃物の日にゴミとして出すのは危険です。
なぜなら、内部の部品を交換したら問題なく動く場合もあり、データの復旧が出来てしまう場合があるからです。
もし不燃物のゴミとして処分するのであれば、必ず物理的なダメージを与えましょう。
具体的には、ドリルで穴をあけるのが手っ取り早いです。
電動ドリルは充電式と電源コード式がありますが、使用頻度が高くない場合には、電源コード式の方が使いたい時に直ぐに使え、しかもバッテリーの寿命を気にしなくて良いのでオススメです。
ドリルのビットはダイソーでも購入できますが、近所にダイソーが無い方はこちらからどうぞ。
専門の方にお願いする方法は?


リネットジャパンは環境省認定 自治体と連携したパソコン無料回収業者です。
タクゾーはリネットを何度か利用したことがありますが、とても便利です。

パソコンが1台入っていれば、他の回収可能な品目も同時に無料で処分してくれる
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前回お願いした際は、発送の2週間後位に完了の連絡が着ました。
時期によっては日数も掛かる場合もあるかもしれませんので、気長に待ちましょう。

まとめ
今回は、しっかりとデータを削除する方法をご紹介したました。
操作によっては、『消去したつもりのデータが実は消去できていない』場合があることがお分かり頂いたかと思います。
操作手順も分かりやすく画付きでご紹介しましたので、記憶媒体を廃棄する前に必ず実施することをオススメします。
しっかりデータを削除できたデバイスなら、安心してmercariやヤフオクで売ることもできますね。
なお、このブログではこういったエンジニア小技も紹介していますので、ご興味があればこちらもご覧ください。
