
・最近パソコンのデータが増えすぎたので、良い解決法がないかな?
・可能な限りコンパクトで持ちは込みが軽いものが良いな?
・外付けSSDからも仮想マシンを立ち上げたい
・紛失時のデータ漏洩(セキュリティ)が心配
こういった疑問に答えます。
【Samsung 外付けSSD T5 2TB MU-PA2T0B レビュー】持ち運び便利で紛失も安心のSSD

ノートパソコンを使用していると、内臓しているSSDやHDDが容量不足でデータの保存に困る場合があります。
タクゾーは検証環境として仮想マシンを多く利用するため、内臓のSSDでは容量が足りず外付けのSSDを利用していますが、仮想マシンをいくつか保存すると直ぐに容量不足になってしまいます。
そんな状況の改善のため、Samsung の外付けSSD(2TB)をゲットしましたので、早速レビューしたいと思います。
そもそも、なぜこのSSDを選んだかというと、このSSDの大きなメリットが2つあります。
超軽量・コンパクトで持ち運びが楽パスワードロック、AES 256bitハードウェア暗号化が可能
購入前は単純に容量不足解消をメインに考えていましたが、正直このSSDはメリットしかありません。
この事件は、私欲のために職場からHDD持ち帰って転売していたものですが、悪意がなくても業務で使用するHDD/SSD/USBドライブを紛失すると、保存されているデータによってはあなた自身も企業にとっても大きな打撃を受けます。
企業によっては、外付けドライブやUSBが制限されている場合もありますが、もし外付けドライブやUSBを利用できる環境の場合には、自己防衛ためにも他人が簡単にアクセスできないようにドライブ全体にパスワードによる保護はとても安心です。
Samsung SSD T5 2TB MU-PA2T0B のスペック
今回購入したT5は、タクゾーが元々使用しているSamsungのSSD 860 EVOと最大転送速度と変わりませんが、実測するとT5の方が性能が良さそうです。
パフォーマンス比較も後述していますので、是非参考にしてください。
ブランド | Samsung | Samsung |
商品モデル | T5 (MU-PA2T0B) | 860 EVO (MZ-76E500B) |
サイズ | 74 x 57.3 x 10.5 mm; 51 g | 10 x 6.98 x 0.68 cm; 81.65 g |
HDD容量 | 2TB | 500GB |
対応OS | Windows 7以降、Mac OS X 10.9以降、Android 4.4(KitKat)以降 | – |
最大転送速度 | 540MB/秒 | 読出 550MB/秒, 書込 520MB/秒 |
インターフェース | USB 3.1 Gen 2、下位互換あり | – |
セキュリティ | パスワードロック(任意設定)、AES 256bitハードウェア暗号化 | – |
860 EVOはそのままでは外付けSSDとしては利用できずケースが必要で、その分も大きくなります。
並べて比較すると一目瞭然ですが、大きさ・厚さを考慮すると、T5は860 EVOと比較すと1/3程度といったとことでしょうか。
T5 vs. 860 EVO T5 vs. 860 EVO T5 vs. 860 EVO
参考までに、860 EVOに使用しているケースはこちらです。
CrystalDiskMarkでのパフォーマンス比較
早速、CrystalDiskMarkを利用してパフォーマンス試験を行います。
CrystalDiskMarkはこういった試験ではとても有名なソフトウェアです。

ダウンロードしてインストーラーを実行すれば、直ぐに利用が可能です。
CrystalDiskMarkの詳細についてはこちらで紹介されていますので、興味がある方は利用してみてください。

デフォルトの試験項目の内容は以下の通りです。
SEQ1M Q8T1
- SEQ:シーケンシャルアクセス
- 1M:ブロックサイズ1MiB
- Q8:マルチキュー8個(Multi Queue)
- T1:シングルスレッド1個(Single Thread)
SEQ1M Q1T1
- SEQ:シーケンシャルアクセス
- 1M:ブロックサイズ1MiB
- Q1:マルチキュー1個(Multi Queue)
- T1:シングルスレッド1個(Single Thread)
RAD4K Q32T1
- SEQ:ランダムアクセス
- 1M:ブロックサイズ4KiB
- Q32:マルチキュー32個(Multi Queue)
- T1:シングルスレッド1個(Single Thread)
RAD4K Q1T1
- SEQ:ランダムアクセス
- 1M:ブロックサイズ4KiB
- Q1:マルチキュー1個(Multi Queue)
- T1:シングルスレッド1個(Single Thread)
勿論、テスト内容も設定から変更が可能です。

標準の設定では、上の二つが連続したデータの書き込み・読み込み、不規則なデータの書き込み・読み込みで、Qはキューは命令の待ち行列、Tはスレッドは設定している数の複数の処理を同時に実行します。
なお、キューとスレッドの数字が小さくなるほど処理が重くなる傾向があり、シーケンシャル、ランダムの違いは以下と考えると分かりやすいです。
- シーケンシャル(連続したデータ):ファイルコピーなどの速さ
- ランダム(不規則なデータ)読み込み/書き込み:OSやアプリの起動や基本操作、web閲覧などの快適さ
CrystalDiskMarkのパフォーマンス結果
Amazonやkakaku.comなどでT5と860 EVOのスペックを見るとスペック差はあまりないように表記されていますが、比較してみると意外にも差があります。
T5の方が860 EVOよりも連続したデータの書き込み・読み込み、不規則なデータの書き込み・読み込みも性能が出ていることが分かります。


T5 2TB MU-PA2T0Bの使用方法
箱から出して、パソコンに接続したその瞬間からデータの保存は勿論できますが、「なぜ?スペック」に『Windows 7以降、Mac OS X 10.9以降、Android 4.4(KitKat)以降』とあるのかが不明でしたが、接続すると直ぐにその理由が分かりました。
その理由は、パスワードでの保護機能があるためです。
一般にSSDやHDDを始めてパソコンに接続する際には、オペレーティングシステム(OS)からそのディスク上でデータを扱えるようにするためにフォーマットを行いますが、このSSDは初めからWindows およびmacOSのどちらからもアクセスが可能なようにexFAT形式でフォーマットされています。

【Windows から接続した場合】

【macOSから接続した場合】

T5に初めから保存されているアプリケーションをインストールすることで、パスワードロック機能が利用できます。
パスワードによるロック機能の使用
前述の通り、パスワードでの保護はデータ漏洩を防ぐための素晴らしい機能ですので是非利用しましょう。
T5を接続すると、以下のファイルが表示されます。
- macOS用:SamsungPortableSSD_Setup_Mac.pkg
- Windows用:SamsungPortableSSD.exe
なお、このセキュリティ設定は一度設定しても後から設定をオフにすることできます。
では、セットアップをしましょう。
【macOSでのセットアップ】
それぞれOS上でそれ用のアプリを実行し、次へと進めばインストールは完了ですが、インストール中にアプリケーションの許可設定が必要です。
なお「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)は『いいえ』を選択しています。

macOS版はインストール完了時に再起動が要求されます。
再起動後にアプリを起動すると、パスワードの設定ができます。


設定をクリックすると、パスワードの設定ができます。

macOS側でパスワードを設定後に、WindowsにT5を接続するとフォルダーに表示されるデータが変わっているのが分かります。

【Windowsでのセットアップ】

既にT5はパスワードが掛かっている状態のため、アプリのインストール開始後にmacOSのセットアップ同様にGDPRを『いいえ』を選択するとパスワードが要求されますので、先ほど設定パスワードを入力します。

あとは『次へ』を進めていけば、セットアップは完了です。
簡単ですね!
パスワード設定後のパフォーマンス測定
パスワードを設定すると、SSDのパフォーマンスが落ちるのかどうか?が気になると思うので全く同じ設定で負荷試験をしてみました。


多少の誤差はありますが、パスワードの設定後もパフォーマンスが落ちていないのが分かります。
もっと爆速のSSDが欲しい場合には?

もっと爆速のSSDが欲しい場合は、上位モデルのT7ならT5の2倍の速度が出るのでオススメです。
ブランド | Samsung | Samsung |
商品モデル | T5 | T7 |
サイズ | 74 x 57.3 x 10.5 (mm); 最大51 g | 85 x 57 x 8.0 (mm);最大58g |
HDD容量 | 2TB | 1TB | 500GB | 2TB | 1TB | 500GB |
対応OS | Windows 7以降、Mac OS X 10.9以降、Android 4.4(KitKat)以降 | Windows 7以降、Mac OS X 10.10以降、Android Lollipop以降 |
最大転送速度 | 540MB/秒 | 1,050MB/秒 |
インターフェース | USB 3.1 (Gen2, 10Gbps) /3.0/2.0互換 | USB 3.1 (Gen2, 10Gbps) /3.0/2.0互換 |
セキュリティ | パスワードロック(任意設定)、AES 256bitハードウェア暗号化 | パスワードロック(任意設定)、AES 256bitハードウェア暗号化 |
同じ2TB のモデルだと少し金額が上がりますね。
ただし、500GBモデルだと手が届きやすい価格のため、お買い得感も出てきますね!
まとめ
今回は、先日ゲットしたSamsung SSD T5 2TBについて寄稿しました。
外付けドライブやUSBを多く利用している場合、データの保管のみならずドライブの紛失にも気を配る必要ありますが、このドライブならパフォーマンスに影響なくパスワードによるロックができます。
しかも転送速度も十分に速いため、外付けドライブから検証環境でありがちな仮想マシンの起動も可能です。
大量のデータの移行は時間が掛かりますので、業務の効率化のためにもこのSSDは時間の節約もできるのでとてもオススメです。
同じような課題を感じている人は、是非自己防衛のためにも是非活用しください。